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グルメ

まるで洋菓子!スイートポテトを超えた「究極の焼き芋」作り方まとめ

2016/12/15

プロローグ:究極の焼き芋レシピを追い求めて

突然ですが、この記事を読んでいるそこのあなた!焼き芋が美味すぎて、サツマイモを二度見したことはあるでしょうか?

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photo credit: Untitled Sarah via photopin (license)

「焼き芋」など別に嫌いでも好きでもなかった筆者ですが、ある時、飲み友が焼いてくれた焼き芋を食べて人生観が変わるほど衝撃を受けてしまったのです。

その美味さと言ったら、今まで食べてきた焼き芋の概念がくるりと変わるほどの美味さ。焼き芋の美味さを表現する際、「ホクホクだね」「しっとりしてるねぇ」などと言いたくなるが、人生の中でも衝撃的なほど美味い焼き芋を口にした私は、決してそんな月並みな言葉では言い尽くせないほど打ちのめされたものでした。

むろん、その適切な表現はいまだに見いだせていませんが、あえていうならば「トロットロッで濃厚!超クリーミーぃ!!」だろうか?(※芋の品種によって表現は当然変わってきますが、ここでは詳しい話はとりあえず割愛します)

焼き芋の焼き方を研究し尽くした彼は言います。

ここまで来るのに10年かかった

マ、マジか!本当に10年もかかったのか!!!!?????

ま、その真相はさておき、その美味さに度肝を抜かれた私は、彼のように自分の手で「究極の焼き芋」をつくり上げたい!と切に願い、それから来る日も来る日も焼き芋を焼きまくったのでありました。

寝れば焼き芋の夢を見て、芋をスーパーで見つければ必ず立ち寄り、石焼き芋屋を見つければ必ず買い、ついでに屋台のオッサンに話しかけてうまく焼くコツを教えてもらう…。

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photo credit: yakiimo via photopin (license)

とにかく焼き芋のことだけを四六時中考えまくって、ついに究極の焼き芋レシピを作り上げることに成功しました。

究極の焼き芋を作るために、あれこれ試行錯誤。ようやくたどり着いた秘伝のレシピです。

秘密にしていたい気持ちもあるのですが、奇跡的にもこの記事にたどり着いてくださったあなたは、きっと「美味い焼き芋を焼きたいぃぃ!」と意気込んでいるに違いありません。

あなたが少しでも美味い焼き芋を焼けるように、ここにこっそりエントリーしておきます。

焼き芋について語ったってブログのアクセス数など増えるはずもありませんが(そもそもアクセスを増やそうとはしていませんが)、焼き芋を愛してやまない芋野郎のために至福のひと時を共有できたら幸いです。

道具と知恵さえあれば、本当に美味い焼き芋は誰でもカンタンに作れてしまいますが、サツマイモのことを理解していないと成功率が低くなりますため、少々前置きが長くなりますがご理解ください。

焼き芋の作り方で巷ではびこる「ニセレシピ」を信用してはいけない!

ネットを使えば情報収集などすぐにできてしまう昨今、焼き芋のレシピを探すのは小学生だってチョチョイのドン!簡単にできてしまうでしょう。
小学生でもカンタンに焼き芋の作り方は検索できてしまうが…

しかし、それらのレシピたちを参考に実際に焼いてみて、私は悟りました。

cookpadやブログの情報は、8割あてにしてはいけないという厳しい現実を。

そんなことを書くと「そんじゃ、あんたのレシピも信用できないよ!」と言われるのがオチ。はい。そのとおりです。他人の事など、偉そうにいえない立場であるのは、よーくわかっているのです。

でも、ですよ。

ここで紹介するレシピは「暇だったので焼き芋を焼いてみた」といったファッション感覚でブログにアップしている普通のレシピではないということだけはわかってほしいと思います。

むろん、他のブロガーさんたちのレシピを否定するわけではありません。彼らには彼らが美味しいと思った焼き芋を紹介したままでしょう。

とはいえ、いろんなところで紹介されているレシピを実際に試して、焼いて、食しています。私が現時点で最も美味い焼き芋の焼き方は、これから紹介する作り方が一番と自信を持っておすすめできるわけです。

焼き芋を焼き上げる前に知っておくべきこと

さて、話を本題に戻しましょう。究極の焼き芋を作るために必要なのは、さつまいもの特性を知ることから始めなければなりません。

え?そんなところから話を始めるのかよ…とお思いの方も多いではないでしょうか。しかし、焼き芋を極限まで甘くするためにはこの点を理解しなければ、達人レベルには到達できないのです。

ではさつまいもの特性とはどんなことなのでしょうか?

焼き芋のすべてを懇切丁寧に綴っている「焼き芋小百科」に、その特性が赤裸々に書かれています。

この名著「日本いも類研究会」のホームページにてダウンロードできるのですが、さすがに全部読むのは大変でしょう。そんな方のために、重要な箇所を引用させてもらいました。

ちなみに上記著書と同じ日本いも研究会がリリースしているこの本も一読すべきです。

芋の糖度を最大限に上げる方法

焼き芋の甘味の大半は、芋に含まれるデンプンを分解して出来た麦芽糖に依っています。麦芽糖の生成は、β-アミラーゼという酵素の作用ですが、生デンプンには作用出来ません。この酵素は、丁度くず粉を湯溶きした糊のような状態になったデンプンに作用します。

これこそまさに究極の焼き芋を作り上げるために必要な基礎中の基礎。

もう少しわかりやすい言葉で説明するならば、「焼き芋の甘さを引き出すためには、まず、焼き芋のデンプンを糊のような状態にしなければならない」ということ。

さらにこう書かれています。

多くのサツマイモ品種に含まれるデンプンはおおよそ70度で糊の状態に変わります。

β-アミラーゼはタンパク質ですので、高温で変性して麦芽糖を作る作用を失います。サツマイモのβ-アミラーゼは比較的熱に弱く、約70度で壊れていまします。

つまりですよ、サツマイモの内部が70度に達するまでの温度を長く保つことができれば、芋の甘みを最大限に引き出せるのです。

でん粉の糊化開始温度は概ね65〜75度位であるため(クイックスイートはこれよりも20度低い)、まずは65度〜69度の温度でサツマイモを温め、糊化する時間をできるだけ長くキープすること。

これが甘さを引き出す大原則だというわけです。また、同サイトには以下の様な実験結果も記されています。

βアミラーゼが活発的に働く温度は30〜65度までですので、もう少し厳密に言うなれば、65度で長く焼きたいところです。
参考PRESIDENT ONLINE

これで焼き芋の特性をつかむことができました。

芋は熱で焼くのではなく遠赤外線で温めるべし

究極の焼き芋を食べたいなら芋は「熱」で焼くのではなく「遠赤外線」で焼くのが一番です。遠赤外線で焼く…つまり家庭でできるのは炭火か石焼きの二者択一になるわけです。

とはいえ、あー、面倒くせーという方もいるはずです。そんな方には「ロースター ZAIGLE(ザイグル)」なる遠赤外線調理器具で焼く方法もあります。

筆者はザイグルで焼き芋づくりをしたことはありませんが、焼き肉も焼けそうですし(しかも煙が少ない!)ナイスな逸品だと思います。

焼き芋を焼く行為そのものに私は風情を感じてしまうので七輪炭火をチョイスしています。もちろん風情だけではありません。珪藻土の七輪を選ぶことで抜群の保温性も発揮してくれますし、焼き芋づくりに持って来いです。

ガスやオーブンなどで発せられた熱は芋の表面から温めてくれますが、遠赤外線は芋の内部もしっかり温めてくれます。これによって芋全体の糊化が均一に進み、最終的にあま〜い焼き芋が焼きあがるのです。

石焼き芋が甘くて美味いのは、遠赤外線を発する石で焼くから。

石で焼く場合は、鍋に石を敷き詰めてその上に芋を載せ、ガスでじっくり焼いていくのですが、いかんせん鍋が痛みますので、私は七輪を使用しています。焼き芋器を購入するという方法もあります。

とにかく、私がこのサイトで紹介する究極の焼き芋レシピは七輪で焼くことを前提としています。

オーブンじゃダメなの?と思われるもしれません。もちろん、オーブンでもそれなりに美味しく焼けます。でも、私が焼く限りでは、残念ながら「それなり」の味にしかなりません。

焼き芋はアルミホイルの巻き方を工夫すべし

焼き芋を作るにはお馴染みアルミホイルを巻いていくと思います。アルミホイルの巻き方次第では味が変わるから注意が必要です。
芋にアルミホイルを巻く意味は?
photo credit: Cyber Dog via photopin (license)

ではなぜアルミホイルを巻く必要があるのでしょうか。

この点について、私も明確なエビデンスを持っているわけではありません。焼き芋屋によってもアルミを巻いて販売するところや巻かずに販売するところもあります。巻かずに販売していた石焼き芋屋のおじさんに聞いてみたところ「蜜がアルミにくっついて剥がれにくくなっちゃうんだよね」と証言。味には関係なさそうなコメントをしていましたが、巻かないで焼くより巻いたほうがうまい気がするので私は巻いて焼いています。それでも、アルミホイルの特性を考えると何となく答えが見えてきます。

日本アルミニウム協会の公式サイトによると、アルミホイルは、断熱性・熱伝導性・防湿性にすぐれているとあります。

断熱性に優れているから、急な温度の上昇を防いでくれます。これは芋の甘さを引き出すβ-アミラーゼが死活しないようにすることができるとも読み取れます。しかも、熱伝導性が高いので芋を均一に温めることが可能です。

また、防湿性にすぐれているため、芋内部の水分を適度に保ちながら温めることができるため焼き上がりはパサパサになりにくいというメリットも。

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芋はアルミホイルですべて巻かずに焼くべし

ちなみに、よく新聞紙を濡らしてからアルミホイルを巻くとうまくなるという方がいますが、それはオーブンなどで短い時間で急いで焼く場合の話なのかなぁと思っています。

七輪でじっくり焼いてみればわかりますが、水分量が多すぎてしまい、ベチャベチャになり、あまり美味しく焼き上がりません。

アルミホイルの巻き方にも工夫は必要なんです。これは我が芋師匠に教えてもらった技なのですが、芋全体を包んでしまうと加熱中に芋の水分がうまく抜けてくれなないので甘みが鈍ってしまいます。
アルミホイルの巻き方
なので、上の写真のように、芋の端がすこし顔を出すような巻き方をします。

アルミホイルの巻き方
焼くと蜜がたらり…。良い香りがしておきます。ここから水分も適度に飛んでくれるわけです。芋の水分は甘みを大きく左右する重要なファクターですよ。

生および加熱さつまいもの水分量と糖量との間には負の相関があり、加熱により水分が少なくなると糖量も増加する傾向にあった

参考JRT日本いも類研究会従来の食用さつまいも品種と新品種・有望系統のの糖含量と甘味度についてより

とにかくアルミでサツマイモを包む時は、芋の端が1センチぐらいはみ出るくらいの感じで巻くのがよろしいかと思います。

ちなみに、焼き芋専用のアルミホイルなんてものもあります。黒色のホイルなので熱吸収にすぐれているそうです。このブログで紹介しているやり方には不向きかもしれませんがオーブンで手軽に焼きたい方は試してみる価値はあるかもしれません。
焼き芋専用アルミホイル

芋の端は切らないほうが美味い

芋の両端についても焼き上がりを比較してみました。焼き方や味の好みよって違うのだと思いますが、端を切ると水分を飛ばしやすくなるためホクホク感が増します。
サツマイモの端は切らずに焼くべきか

ところが、シルクスイートや安納芋など、もともとしっとりした食感が楽しめる品種はまだしも、ホクホク系の鳴門金時や甘みの少ないパープルスイートみたいな芋の端を切って焼いてみるとパサパサしてとても食えたもんじゃありませんでした。

端を切って焼いたパープルスイート。デンプンの糊化が進まず、パサパサでおいしくはありません。 端を切って焼いたパープルスイート。デンプンの糊化が進まず、パサパサでおいしくはありません。

もちろん、火加減によっても食感は変わってくることもあるでしょうが、あくまでも私は端は切り落とさずに焼いたほうが美味いと思っています。

ただ、「思っています」と断言できないのは、石焼き芋屋の芋を見ると、大概端が切られているからです。石焼は焼くというより温める状態を長時間保つことから、水分があまり飛ばないため、端を切ってもパサパサになりにくいこともあるのでしょう。

また芋の端っこは食べられないのが理由の一つのようです。「グラム単位で量り売りをする石焼き芋屋は端を切っておくことで、価格的にもサービスにつながる」と語るのはとある石焼き芋屋のおじさん。

自宅で焼く場合は切らずに焼くのがよいのではないかと思います。

ちなみに、安納芋やシルクスイートなどのしっとり系の焼き芋にしたい場合でも、水分はある程度抜いたほうが甘くなります。ホクホクも好きという場合は、芋の端を切っても良いかと思います。ま、要は好みってことです。

石焼き芋屋で買ったシルクスイート
石焼き芋屋で買ったシルクスイート

焼き芋がうまくなるサツマイモの品種について

サツマイモは何を焼けば良いのかについても触れておきましょう。

これはどんな焼き芋を食べたいのかという好みによって違ってくるとは思いますが、私が「こりゃ美味い!」と舌鼓を打ちたくなる芋は、しっとりしていて濃厚な甘みがあるものです。

品種で言えば、紅はるか、安納芋、シルクスイートの3大焼き芋品種。この3種だけで充分、焼き芋の醍醐味を堪能できます。

どれを食べても間違いなく美味いのですが、あえて優劣をつけるならシルクスイートが一番美味しい気がします。コクが合って濃厚な甘みが口の中に広がります。安納芋は微妙に酸味が感じられ(といってもシルクスイートと食べ比べてみないと気が付かないほどですが)、紅はるかはシルクスイートよりはすこしさっぱりとした甘さです。

紅あずま、鳴門金時、中身が紫色をしたパープルスイートは、しっとり甘いとした食感ではなくホクホク系のさつまいも。だいたいアントシアニンが豊富な紫系の芋は甘くないと思っていて良いです。パープルスイートは、焼き芋で食すよりは洋菓子の素材として砂糖やバターなどをまぜて食する方が良いと思います。

究極の焼き方

温めるようにじっくり焼く

ここまで準備できたらあとは焼くだけです。七輪で焼く際は、はじめは少なめに炭を入れて(目安として3割ぐらい)、とにかくじっくり弱火で焼くことです。

炭は最初少なめにして弱火で温める

時間にしてだいたい1時間から2時間弱。ときどき芋を転がしながら、全体が均一に温まるようにしながら。

上記の写真はマングローブ炭が写っていますが、オススメの炭はオガ炭がベストチョイスです。オガ炭は火持ちが長く続くため、少量の炭、つまり低温で長時間焼くことができるからです。一方、マングローブなどの安い炭は火持ちが悪く、途中で炭を足す作業が増えてしまいます。しかもマングローブ炭は若干ニオイがするため、芋の味影響が出てしまいます。

「オガ炭」なら、爆跳(炭がはぜること)が少ないですし、火持ちも良い。なんといっても安価です。

何度も言いますが、とにかく注意が必要なのは、焼くというよりは温めるといった感じて火を通していくことです。

火加減や大きさにもよりますが、だいたい1時間半ぐらい焼けば芋がグニャグニャになってくると思います。これが糊化した状態。また焼く時は、熱が逃げないように、鍋などでフタをしてあげます。

焼き芋はフタをして焼く

仕上げの追い焼きをする

ここまでくるとあとは仕上げです。
グニャグニャになってきたら、次は芋から蜜が出始めます。

糊化した安納芋 糊化した安納芋
糊化したシルクスイート 糊化したシルクスイート

こうなったら少し火力をあげます。強火ではなく中火ぐらいのイメージです。今度は温めるのではなく表面を焼き上げる感じ。この時、芋が均一に焼けるよう、時折転がしながら焼いていきます。芋の水分も飛ばしてあげます。このさじ加減が難しいんです。

糊化したものの水分が多すぎると、美味しいけれど食感がいまいちです。

焼きが足りない紅はるか 焼けきれていない紅はるか。美味いけれど水分が多くて100点の味ではない。

しばらく焼いていると芋の表面がカリッとして硬くなっていきます。しかし焼きすぎてもいけません。外はカリカリ、中はふわふわな状態。手で持つと一瞬硬いのですがチカラを入れると柔らかい感触が伝わるぐらいの感じです。銀だこのたこ焼きみたいな感じになったら食べごろです。

まるでマンゴーのようなシルクスイートまるでマンゴーのようなシルクスイート

糊化後、1時間半焼いた紅はるか 紅はるかは縦に割ってスプーンすくうとうまい!

まとめ

以上が「究極の焼き芋レシピ」です。長々と書きましたが、まとめましょう。

  • アルミホイルは、芋の端っこが1cmぐらい顔を出すように巻く
  • 芋の端っこはカットしない
  • 遠赤外線(石焼か炭火)で焼く
  • 65度ぐらいでじっくり弱火で1時半ぐらい温める
  • 焼くのではなく、温めるイメージを大切にする
  • 焼き芋するなら安納芋、シルクスイート、紅はるかがオススメ
  • 甘さが増すように水分を適度に飛ばす
  • 芋がグニャグニャに柔らかくなったら火力を上げて焼きあげる

実際に焼いてみるとわかると思いますが、焼き上がった芋は蜜が溢れだしていて、芋に巻いたアルミホイルがくっつきやすくなっているはずです。

上手く焼きあげると、安納芋や紅はるか、シルクスイートなどは、半分に割ることができないほどしっとりしているはずです。味はまさにスイートポテト。冷やせば完全に芋ようかんみたいです。

食べ方は自由だと思いますが、私のおすすめは芋を縦半分に割り、片方はそのまま食し、もう片方はスプーンで繰り抜いてそこに芋焼酎を垂らして食べるのがオツです。たまりませんよ、この味は!

以上、究極の焼き芋レシピでした。

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