GIANTのESCAPE R3(クロスバイク)を買ったので、このエスケープR3に使う鍵をずっと探していた。

初めて買ったクロスバイクだからだろう。とにかく盗まれたくないという気持ちがとてつもなく大きい。
盗難されないためには、二重ロックに加えて地球ロックが大原則だというが、鍵そのもののセキュリティレベルが高くなくては意味がない。
たとえばこんな動画を観て、どう思うか。
少なくとも俺はこう思う。安い鍵、全然ダメじゃん!と。
自転車ドロボーにしてみれば、そのへんで売っている鍵なんでオモチャみたいなものだ。工具さえあれば数秒でザクっと切断できてしまう。なかには素手でも壊せるものがあるそうだ。
カギ選びは、かなり重要だ。
ABUS(アブス)のBORDO Granit X-Plus 6500を買った
というわけで熟考に熟考を重ねて選んだのが、ABUS(アブス)のBORDO Granit X-Plus 6500だった。ABUS(アブス)は1924年に創業されたセキュリティーロック界の重鎮。ヨーロッパで最大シェアを誇るドイツの企業である。カギのセキュリティーレベルと品質には定評があるだけに、自転車乗りには神のような存在といっても過言ではないはず…と私は思う。
ABUSのカギがかかっているのを見たら、窃盗のプロもとりあえず逃げ出すという声もあるのは間違いない。
ただし、ABUS(アブス)のBORDO Granit X-Plus 6500は、決して万人受けするサイクルロックではない。
なぜか。とにかく重いからだ。片手で持つとずっしり。

ABUS(アブス)のBORDO Granit X-Plus 6500。ずっしりとその重さが腕に伝わってくる。
その重量は、およそ1.5リットルのペットボトルと同じぐらい。鍵というよりオモリみたいだ。自転車の軽量化が重要視されているのに、この重さ。スピードを追求する自転車乗りには厳しい選択となるかもしれない。
しかも、このオモリに1万8千円というコストも、重くのしかかる。お世辞にも、決して万人受けするカギではない。
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BORDO Granit X-Plus 6500を選んだ理由
にもかかわらず、なぜBORDO Granit X-Plus 6500を選んだか。
理由は実にシンプルだ。私がアホだから。ま、それもあるかもしれない。セキュリティレベルがメチャクチャ高いからだ。
最強のセキュリティレベル
先程の動画の1分49秒付近にも登場するが、何をしようが切断できない様子がわかる。
ちなみに、BORDO Granit 6000を破壊できたとする動画もアップされているが、こちらはセキュリティレベルがBORDO Granit X-Plus 6500よりも低い。
とはいえ、世界的にも有名なメーカーだけに泥棒もABUSのカギを見て好き好んで窃盗しようと思わないだろう。ABUSに立ち向かう盗人がいれば、断言しておこう。お前はアホだ。捕まる危険性が格段にアップし、ブタ箱行きは間違いない。
ところで、鍵のセキュリティレベルについても触れておきたい。
ABUS(アブス)の製品には、サイクルロックの強度に応じてセキュリティレベルがLevel2〜Level15まで区分されている。消費者はセキュリティレベルに応じて、カギを選ぶことができる。
セキュリティレベルの区分は以下の通りになる。
セキュリティレベル | 用途と目的 | 想定価格帯 | 重さ |
Level2〜4 | 建物内で保管する | 4千円〜 | 軽い |
Level6〜9 | ロード通勤でたまに買い物 | 5千円〜 | 普通 |
Level10〜15 | 駅などで長時間駐輪 | 6千円〜2万円 | 重い |
参考:<a href=”http://www.diatechproducts.com/news/2011-0729.html” target=”_blank”>サイクルロックに求めるモノとは…</a>
話を戻そう。わたしはサッカー観戦のためにクロスバイクを購入した。
スタジアムにはキックオフの3時間以上前に到着し、駐輪する必要がある。試合時間が約2時間だから、合計5時間もの間、スタジアムに駐輪する計算になる。その間、愛車から離れなければならない。つまり、高いセキュリティレベルが欠かせなかった。

重い割にはコンパクトなのがうれしい
自転車盗難が多いヨーロッパでは、車体価格の1/10をサイクルロックの費用とすることが一般的だ。GIANTのESCAPE R3の価格は5万なので5千円ぐらいの鍵が適正価格となる。セキュリティーレベルでいうとLevel6ぐらいだろうか。
だが、それで盗まれたのでは悔やんでも悔やみきれない。オーナーならば、愛車への愛情が深くなるのは当然だろう。そう。値段ではない。
BORDO Granit X-Plus 6500はあきらかに適正価格よりも高い。でも、これでダメならあきらめがつく。
また、さらにグレードの高いチャリンコを買った場合、そちらに転用できるので思い切って身銭を切った。ESCAPE R3には不釣り合いかもしれないが、絶大な安心感は手に入れることができる。
鍵の形状を考える
BORDO Granit X-Plus 6500の使用感をレビューする前に、サイクルロックの形状について整理しておきたい。
- U字ロック
- ブレードロック
- チェーンロック
- ケーブルロック
一般的にセキュリティレベルが高いのはU字ロックだ。鍵そのものに太さがある。このことがセキュリティレベルを高めている。
自転車泥棒がカギを切断しようとする場合、相当でかいボトルクリッパーやワイヤーカッターが必要となる。そんな工具をもってウロウロしてたら目立つし、どう見てもあやしい。結果、盗みにくくなるわけだ。
一方、チェーンロックやケーブルロックは、形状からして最も地球ロックしやすい。セキュリティレベルが高いものが多いが、その分、持ち運びには困る。たすきがけして携帯したりハンドル部分に八の字にしてかける方法があるようだが、もう少しスマートに収納したい。
さらにケーブルロックはサドル部分の後ろに着脱できるようなものが多いが、セキュリティレベルは低すぎる。工具があれば、数秒でブッチンできる。これでは、意味がない。
今回選んだブレードロックの長所は高い強度と携帯性を兼ね備えているところだろう。BORDO Granit X-Plus 6500を選んだ理由はここにある。
自転車のフレームに設置できるので、鍵そのものに重さはあるが持ち運びに困ることはないのでかなりラクだ。
また、U字ロックだけだと地球ロックすることができない。ブレードロックなら、ある程度長さがあるためガードレールなどの支柱にロックすることができる。

こんな感じで地球ロックする
これを考えてブレードロックをチョイスした。
ただし難点もあった。地球ロックするときに少々コツがいるんだよね。ブレードを横にひねることができないため、チェーンロックのように自由な動きができない。
慣れるまで、少し時間がかかった。もちろん、慣れればなんてことはないんだけど…。
ちなみにBORDO Granit X-Plus 6500はシリコン状のカバーがされているので、チャリのフレームを傷つけることがない。その点は安心だ。
スペアキーについて
また、BORDO Granit X-Plus 6500はダイヤル式ではなく鍵式のロックが採用されている。青色LEDがついたメインキーと、小さめのスペアキーが付属している。

鍵はLEDランプ付きの鍵とスペアキー、ふたつ付属されている。
鍵を紛失してしまった場合は、同梱されているカードにナンバリングされているコードを日本の輸入代理店(岡田商事株式会社)に連絡すればよい。
もしくは楽天市場でも受け付けている。2〜3000円でスペアキーを制作できてしまう。ただし輸入品なので納期は3週間ほどかかるようだ。
サブのサイクルロックも準備した
ここからは、BORDO Granit X-Plus 6500のレビューではない。あくまでもおまけだ。
メインの鍵はABUSで満足しているが、長時間駐輪による盗難を防ぐために二重ロックすることにした。サブの鍵は、安いやつでも良いだろう。
これ以上、サイクルロックの鍵を増やしたくなかったから、サブはダイヤル式のU字ロックにした。
GIANTの純正品を選んだ。二千円で購入した安物だが、サブロックならば十分だろう。軽いので強度はそれほど高くないだろうが、U字ロックという安心感はある。
また、メインのブレードロックだと場所によっては地球ロックしにくいことがあるため、KRYPTONITE(クリプトナイト)のワイヤーケーブルも準備した。
KRYPTONITEは、米国のセキュリティーロックメーカー。破壊破断できないようにスチールワイヤーを編み込んだワイヤーゆえ、強度はかなり強い。通常はU字ロックと組み合わせて使用する。重さは感じないので購入しておいて損はないはずだ。
ロードやクロスバイクに人気のおすすめサイクルロック
以上が私の偏見と主観でチョイスしたサイクルロック購入レビュー。
実は、チャリンコの鍵を選ぶのに、相当な時間をかけた。2週間は調べていた。ちょっと病的な気もする。だが、そのかわりサイクルロック市場の全体像については少し詳しくなった。せっかくなので、オススメのサイクルロックをピックアップしたい。
U字ロックで人気商品といえば、まずこれが思い浮かぶ。
パナソニック U型ロック SAJ080 ブラック
頑丈なのに、二千円台で購入できるという手軽さが受けている。みんな大概これで満足しているっぽい。ただしこちらは入門編という感じ。
Active Winner U字ロック
恐らくこちらはパナソニックSAJ080と同じもの。確証はないがOEM商品なのだろう。見た目もほとんど一緒だ。
KRYPTONITE(クリプトナイト)
品質へのこだわりと、もうちょっとセキュリティレベルを上げたいという人は、KRYPTONITEのU字ロックがええんでないかしらと思う。
セキュリティーロック専門分野の老舗が作っている鍵なんだから品質的にも信頼できる。ロード乗りにも人気が高い。ワイヤーもセットで買っておけば地球ロック時困ることは100%ないだろう。
Granit X-Plus 540
セキュリティーレベルを考えるならば、ABUSのGranit X-Plus 540になるだろう。
この記事でレビューしたBORDO Granit X-Plus 6500同様、これで盗まれるんだったら諦めてもいいというレベルだ。KRYPTONITEのワイヤーだけを合わせて購入すれば、鬼に金棒。窃盗団も鍵を観た瞬間逃げ出すに違いない。だからこそ、私はカギ色が目立つレッドにした。
まとめ
必要とされるサイクルロックのセキュリティレベルは、愛車の使用方法や用途によって変わってくるけど、鍵選びの際にポイントとなるのが、鍵本体の金属部部が金属部分の硬度を上げる「焼入れ」されたものを選ぶと良いと思う。
安い鍵はこの工程が省かれていたりする。ケーブルロックも、太く見えていてもコーティングされているビニール部分で屈折して見えるだけのものがあり、針金部分が細い粗悪品があるのが実態だ。
「安物買いの銭失い」は、サイクルロックの買い物にドンピシャで当てはまるんだと実感した。
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